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光学特性計測技術
可視から赤外まで、材料の光学特性を幅広く測定し製品開発を支援
私たちは、日々、太陽の光を受けて生活しています。そのため、身の周りにあるすべての製品は、太陽光と切っても切れない関係にあります。物質がもつ光に関係した特性のことを光学特性といいますが、この光学特性は先端技術だけでなく、さまざまな製品に幅広く関わっています。
光学特性を多角的に計測
光学特性は、カメラ、コピー機、ディスプレー、照明など、光技術を利用した機器はもちろん、紙、日傘、化粧品、暖房器具など、一見、光とはあまり関連がなさそうな分野の製品にも大いに関係するものです。そのため、さまざまな分野のお客さまから数多くのご相談が寄せられます。
今回新たに『光学特性計測技術』をブランド試験に加え、光分野に特化したチームが、可視から赤外領域まで幅広く対応し、お客さまのご要望にお応えします。
分光透過率・反射率測定
正透過率や入射角を設定した正反射率の測定が可能です。他にも、積分球を用いた全反射率、全透過率の測定にも対応しています。また、顕微分光測定では、ビーム径を最小16μmに絞ることができ、曲面や薄板表面のみの反射率測定が可能です。
左)紫外可視近赤分光光度計 中)顕微分光測定装置 右)フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
分光エリプソメトリ
波長0.37-1μmの材料の屈折率・消衰係数や、基板上に成膜された光の波長オーダの膜厚を解析できます。
分光エリプソメータ
支援例
◆支援例1:無反射材料の開発支援
特殊な表面形状をもった無反射材料の開発に関してご相談を受け、形状のパラメータと反射率の関係をお客さまと相談しながら数値化しました。この形状のパラメータと反射率の関係は、製造する際の条件決定に役立っただけでなく、特許申請にも活用されました。
◆支援例2:樹脂材料の光学特性測定
自社で測定装置を持たないお客さまから、加工する予定の樹脂材料に関して、光学特性測定を行いたいとのご要望がありました。樹脂材料の光学特性を把握できたことで、設計目標のパラメーターが明確になり、新製品の開発にお役立ていただきました。
担当研究員から
光についての相談を一手に引きうける光の専門チーム
Q.光学特性は、どのような製品について調べるものなのでしょうか?
A.
障子や窓といった日常的な製品から、先端技術の太陽電池まで、幅広い分野の方々が光学特性に関するご相談にいらっしゃいます。都産技研では、可視から赤外領域まで広い範囲で透過率や反射率の測定を行っています。また、測定パターンも豊富にありますので、お客さまのご要望にあわせて、測定内容をご提案することもあります。
Q.相談はどんなものが多いのですか?
A.
「表面が曇って見えるが、これを数値で評価できないか」というように、困っていることを具体的に評価したり、解決するにはどうしたらいいかというような形で相談を受けることもあります。私たちは、その表面がどのくらい曇っているのかを客観的に評価するために何ができるのかを工夫し、必要に応じて、他のグループとも協力して問題を解決できるようにします。
他の公設試験研究機関では、光学特性についての測定は、プラスチック、ガラスといった材料別に分かれていることが多いのですが、都産技研では光の専門家が集まって一つのチームをつくっています。そのため、光学特性に関する評価や技術相談などについて総合的に対応できます。しかも、可視、赤外と、幅広い波長領域に対応しているので、東京都だけでなく日本全国から相談が寄せられます。
Q.今後、どんなことに取り組んでいきたいですか?
A.
最近は、ディスプレーのような薄膜が積層した製品や透明な材料の評価の依頼が増えてきました。そのような測定に対応するため、光断層計測や偏光計測などを利用した非破壊計測技術も充実させて行く予定です。メンバーの専門性を生かして、独自の計測技術も開発していきたいと思っています。具体的な取り組み方法が不明な際でも、ご相談いただければ、解決策がみつかるかもしれません。まずは、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ
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