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プラスチック代替素材を活用した開発・普及プロジェクト
プラスチック代替素材を活用した開発・普及プロジェクトとは
事業目的
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(以下「都産技研」という。)では、使い捨てプラスチック対策として中小企業における地球にやさしい素材※1を活用した製品開発実現のため、「プラスチック代替素材を活用した開発・普及プロジェクト」(以下「本事業」という。)に取り組んでいます。本事業では、地球にやさしい素材を用いて、デザイン性や使いやすさ等の付加価値を考慮した食器(食品容器等およびカトラリー等)※2の製品開発支援を目的として2019から2021年度に実施されました。(現在、この事業は終了しています。)
※1:意図的か意図的でないかを問わず、環境中に投入された製品等の生態系への負荷が少ない素材のことです。具体的には、天然素材(木、紙など)または生分解性プラスチックが該当します。天然素材と生分解性プラスチックからなる混合素材も該当します。
※2:ここでは、食器を「食品容器等」と「カトラリー等」に分類し、「食品容器等」とは皿、カップなど、「カトラリー等」とは箸、フォーク、スプーンなどのことをいいます。
公募型共同研究
地球にやさしい素材を用いて、食品安全性を確保または試作品提供時までに確保の見込みがある「食品容器等」および「カトラリー等」を対象とします。優れたデザイン性や使いやすさの検討などの付加価値を考慮した製品開発および量産化を目指した「試作品提供(同一対象分野内で2種類以上)が可能な提案」を募集します。製品開発は都産技研の保有する技術シーズ※3を活用することも可能です。
開発対象分野 | 開発製品(同一分野で2種類以上) | |||
製品例 | 素材(主成分) | 改正食品衛生法 (ポジティブリスト(PL)) | ||
食品容器等 | ・皿 ・椀 ・器(うつわ) ・カップ など | ・天然素材 ・生分解性プラスチック ・上記2種の混合
| PL対象 | 適合 または 適合見込みがある |
カトラリー等 | ・箸 ・フォーク ・スプーン など | PL対象外 | 一般衛生管理適用 |
※3:都産技研の保有する技術シーズ
都産技研の保有する技術シーズは下記のとおりです。技術シーズは都産技研研究員から提供します。
(1)プロダクトデザイン (2)デザイン試作 など
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Tokyo Tokyo Delicious Museum(外部リンク)(東京都公式HPへのリンク)
天然素材と⽣分解性プラスチックを⽤いた リユース可能な⾷品容器の開発
2019年度採択
紙パウダーと生分解樹脂による、生分解性容器の開発/株式会社環境経営総合研究所
我が国の使い捨てプラスチックを中心とした、廃プラスチックは年間約900万トン排出されており、世界的な「脱プラスチック」への動きに対し、先進国の代表として、模範となる技術、製品が必要。
当社の紙パウダーを生分解樹脂と混成させた製品により、プラスチック原料使用量を大幅に削減すると共に他ではできない独自の生分解性容器を開発。
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都産技研 生分解MAPKAを用いた食品容器を開発(外部リンク)
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紙パウダーと生分解性樹脂の「生分解MAPKA®️」による食器の開発
天然素材の開発による食品容器の商品化/菱華産業株式会社
天然素材(木粉)と植物由来樹脂の複合材(バイオマスプラ)の素材開発
天然素材 (木粉)と生分解性樹脂の複合材(バイオプラ)の素材開発
バイオプラの薄肉(0.5mm以下)成形の技術の研究開発
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都産技研 木粉とPBSの複合素材を用いた食品容器を開発(外部リンク)
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基盤研究
・石油資源の制約、海洋ごみによる生態系への影響、地球温暖化対策等からプラスチック代替は世界的課題です。
・また、「EU一部のプラスチック容器禁止」「大手外食産業によるプラスチック製ストローの使用中止の発表」等、世界的に脱プラスチック製品の流れが加速化しており、持続可能な社会の実現のためには石油資源由来の素材からバイオマスプラスチック、紙等への代替を早期に図っていくことが不可欠となっています。
・一方、近年「バイオプラスチック」「生分解性プラスチック」などの新素材が開発されているが、これらはコストや耐久性等の問題から製品として広く普及するに至っていません。
そこで地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(以下「都産技研」という。)では、中小企業による新素材開発は難しいがデザインや機能性に優れた製品開発は実現可能性があるため、産技研がデザイン開発や評価等の支援を行うことで企業の新製品開発を支援します。
2019年度採択
海にやさしいストローと子ども用Myストローの開発
本研究では海洋ごみ,海洋汚染の中で大きく取り上げられている,使い捨てプラスチックストローに注目し,環境負荷の少ない100%天然素材のストローの研究開発を行いました(100%天然素材でできたストローの開発)。また,幼児を含めハンディキャップの子供たちは,ストローを必要としている現状があります。そこでリユースを意識した子ども用のストロー補助具の開発も行いました(子ども用ストロー補助具)。
100%天然素材でできたストローの開発
子ども用ストロー補助具
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共同研究
都産技研では、都内中小企業や大学などと、それぞれが持つ技術とノウハウを融合し、相互に研究課題、経費 を分担して技術開発や製品開発を目的とした共同研究を実施しています。
- 新規性、高度性、緊急性に富む研究内容で、製品化・事業化 の可能性があること
- 共同研究を実施することによって、より質の高い成果が期 待できること
- 事前に都産技研の技術相談や依頼試験などの支援メ ニューをご利用され、都産技研の研究員と相談された上で 共同研究実施の準備が整っていること
2020年度採択
スギスライスと天然バインダーによるストロー開発/株式会社木具定商店
都産技研では、「特定事業プラスチック代替素材を活用した開発・普及プロジェクト」基盤研究内で、スギ突板とグルコマンナン(特許出願済)を用いた100%天然素材でできた、ストローの研究開発に成功しました。しかしながら、コスト面などにより普及は困難でした。そこで、株式会社木具定商店と共同研究を行うことにより、グルコマン粉の代替えとして、こんにゃく粉を用いて研究開発を行い、グルコマンナン粉と同等の性能を確保できることを確認し製品化となりました。
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都産技研 100%天然素材で出来たストロー(外部リンク)
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