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太陽光発電パワーコンディショナの雑音端子電圧測定の一手法について

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新

上野 武司[発表者]、西野 義典、原本 欽朗(電子機械グループ)、清水 敏久(首都大学東京)

1.はじめに

  太陽光発電は、代替エネルギーの一つとして注目されている。特に、一般家庭用の太陽光発電は分散型電源とも呼ばれており、東日本大震災後注目されている。この太陽光発電は、図1(上)のように構成される。パワーコンディショナ(GCPC)では電力を直流から交流に変換し、家電や情報機器等に供給する。このGCPCは、昇圧チョッパとインバータ回路が使われており、妨害波の放出源となりうる。そのため、GCPCのEMC規格化を進めており、測定方法の検証を多摩テクノプラザEMCサイトで実施した。特に、太陽電池モジュール側の直流ポートに着目し、妨害波測定方法の一つである雑音端子電圧測定の適用を検証した。

2.対策する波形と該当する対策部品

  測定系の概略図を図1に示す。直流用擬似電源回路網(DC-LISN)としては、入力端子(VA、VB)、コモンモード(ASYM)及びディファレンシャルモード(SYM)の4種類の端子電圧が測定できるΔ型DC-LISNを用いた。またGCPCの交流出力ポートには、3線式交流用擬似電源回路網(AMN)を用いた。
  雑音端子電圧とともに、雑音電流の測定を行った。コモンモード電流(ICOM)、ディファレンシャルモード電流(IDIF)を図2のように電流プローブを配置して測定した。

GCPC の配置の図
図1 GCPCの配置

電流プローブの配置の図
図2 電流プローブの配置

使用したGCPCの図
図3 使用したGCPC

3.基板実装時の効果

  図4には、雑音端子電圧の測定結果を示す。また図5には、雑音電流の測定結果を示す。雑音端子電圧、雑音電流6項目が測定できた。このノイズのピークはバックグランドノイズに対してマージンがあった。数MHzにおいて共振が見られた。またASYM とICOM、SYMとIDIFでは、各周波数特性においてピークが現れる周波数が一致することから、ICOMおよびIDIFのノイズが評価できていると考える。

雑音端子電圧測定結の図
図4 雑音端子電圧測定結

雑音電流測定結の図

図5 雑音電流測定結

4.まとめ

  本研究では、GCPCの入力ポートの伝導妨害波の測定方法として、雑音端子電圧の測定方法を適用した。DC-LISNを用いたところ、コモンモードノイズ、ディファレンシャルモードノイズの測定が可能であった。現在、この測定手法をもとに許容値を検討しており、規格策定に向けたさらなる実験を進めている。


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