本文
ケント紙への無電解ニッケルめっきによる導電紙の電磁波シールド効果
竹村 昌太(表面技術グループ)、上野 武司(電子・機械グループ)、島田 勝廣(技術経営支援室)、岡山 隆之(東京農工大)
1.はじめに
電子機器、医療機器等は、電磁波による誤動作対策と放射ノイズの抑制が求められている。 2.実験方法電磁波シールド評価のための試料は市販のケント紙を用いた。この試料にカニゼン法を用いてニッケルめっきを施した。試作した導電紙のめっき付着状況の確認にはSEMを用いた。また、元素分析(EDX)によるめっき皮膜の評価も行った。導電紙の電気的特性として体積・表面抵抗率を測定した。電磁波シールド効果は、KEC法を用いて測定した。 3.結果・考察 めっきを施した試料の元素分析の結果、導電紙の中心部(A)の分析では、セルロース由来の炭素や酸素が検出された。一方、めっき皮膜部(B)の分析では、めっき材料に由来するニッケルと共にりんも検出された。めっき皮膜はニッケル―りん合金であることが確認された(図1)。
表1 導電紙の体積・表面抵抗率
4.まとめケント紙で作製した導電紙は、60から70dBの電界シールド効果が確認されEMC対策に応用できる導電紙としての利用が期待できる。
|