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熱電特性評価装置

印刷用ページを表示する 更新日:2024年8月1日更新

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  • 室温から800 ℃の範囲で、電気伝導率σ およびゼーベック係数(熱起電力)の温度特性の評価が可能
  • 無機材料、有機材料、有機―無機ハイブリッド材料など種類を問わず測定可能
  • 四角または直径2~4 mm × 長さ 5~22 mmの試料の測定が可能

計測分析技術グループ TEL. 03-5530-2646

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装置の特徴

熱による温度差を電力に変換するエネルギー材料として、熱電材料があります。熱電材料は、未利用の廃熱や環境中に自然に生じる熱を活用することで、それぞれ熱電発電やIoTセンサ用の自立電源として注目されています。熱電材料の熱電性能は、電気伝導率、ゼーベック係数、熱伝導率の3つの物性値で決まります。本装置によって、電気的な出力に関係する電気伝導率とゼーベック係数の温度特性を室温から800 ℃の範囲で評価可能です。測定対象は、導電性がある物質であれば、無機材料、有機材料、有機―無機ハイブリッド材料など種類を問いません。​

 

測定の原理

図1に測定原理を示します。試料を上下のNi電極で挟むことで垂直にセットし、赤外線加熱炉で試料を目的温度に加熱・保持した後、下部電極をヒーターで加熱することで試料に温度勾配を生じさせます。ゼーベック係数は、試料に接触させた二本の熱電対によって試料間の温度差と、熱電対の片側同一素線間に生じる熱起電力を測定することで算出します。電気伝導率は、一定の直流電流を試料両端に印加し、試料に接触させた熱電対の片側同一素線間に生じる電圧降下を測定する直流四端子法によって算出します。熱電対のプローブ間隔は、3.5 mm、6 mm、8 mmから選択することが可能で、測定中の雰囲気は低圧Heガスまたは大気となります。また、薄膜アタッチメントを用いることで薄膜試料の測定も可能です。

図1 測定原理(左)実際のサンプルセットの写真(右)測定原理の概略図

図1 測定原理 (左)実際のサンプルセット、(右)測定原理の概略図

 

測定事例

図2に、室温付近で最高性能な熱電材料であるBi-Sb-Te化合物の電気伝導率σとゼーベック係数S、それらから算出され電力に相当する出力因子σS 2の温度特性を示します。温度の上昇に対して、電気伝導率は単調に減少し、ゼーベック係数は100 ℃付近でピークとなった後単調に減少しました。その結果、温度の上昇に対して、出力因子は単調に減少しました。

これらの特性は、同じ材料系でも試料の作製手法や化学組成、結晶粒径などに対して敏感に変化します。ぜひ、本装置を熱電材料の開発にご活用ください。

図2 Bi-Sb-Te化合物の熱電特性の温度特性のグラフ

図2 Bi-Sb-Te化合物の熱電特性の温度特性 (左)電気伝導率σ、(中)ゼーベック係数S、(右)出力因子σS 2


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