都産技研は、2023年4月22日に日本科学未来館で開催された「Tokyoふしぎ祭(サイ)エンス」に出展しました。本記事では、出展内容や展示会場の様子をお伝えします。
「Tokyoふしぎ祭(サイ)エンス」は小・中学生をターゲットにした、参加・体験型のイベントです。科学技術に関する理解と関心を深め、より身近なものとして感じてもらおうと、東京都が毎年4月の「科学技術週間」の特別行事として開催しています。
13回目を迎えた今回は、コロナ禍を経て4年ぶりのリアル開催。大学や研究所など14の団体が出展しました。会場となった日本科学未来館は、開催当日に無料開放されたこともあり、開館前に行列ができるなど多くの親子連れで賑わいました。
各団体からはロボット、超電導、液体窒素、3Dホログラムなど、趣向を凝らした展示が揃い、人気の展示は早々に整理券がなくなるほど。子どもたちの関心の高さがうかがえます。
Tokyoふしぎ祭(サイ)エンス 会場 日本科学未来館
会場内の様子
都産技研では「熱転写プリントでオリジナル巾着を作ろう!」と題し、熱転写技術の展示を行いました。小型の巾着袋に、文字やキャラクターを印刷した紙(転写紙)を配置してもらい、熱プレス機によって密着&加熱させることで、転写プリントされたオリジナル巾着が完成するものです。
今回の展示内容である熱転写技術について、城東支所の加藤主任はこう話します。
「昇華転写プリント(以下昇華転写)は分散染料で印刷された転写紙とポリエステル生地など※1を重ねて、熱と圧力を加えて染色する方法です。ポリエステルは高温で加熱すると、繊維の構造(分子の結合)が緩み隙間ができます。その隙間に熱で昇華した分散染料が入ることで、染色されます。そのため昇華転写では、ポリエステル素材が多く用いられます。(※1 アセテート、ナイロン、アクリルも一部染まります。)
昇華転写の特徴としては、発色がよく、洗濯や摩擦などの染色堅ろう度(変色や色落ちのしにくさ)が高い傾向にあります。また、デジタルプリントであるため印刷版が不用であり、小ロットのプリントに向いています。身の回りで使われている主な製品はスポーツウェアや水着、のぼり等が挙げられます。」
転写プリントの紹介パネル
転写に用いた熱プレス機
都産技研ブースは対象年齢が「5歳以上」ということもあり、当日は多くの親子連れの皆さまに立ち寄っていただきました。
用意した転写紙は、ドット柄や恐竜柄などの背景や、動物や果物などのキャラクター、50音やアルファベットといった文字などさまざま。子どもたちは思い思いの絵柄や文字を選び、親御さんの手を借りながら、巾着の上に貼り付けていきます。親子でそれぞれ巾着づくりに取り組まれている方の姿もありました。
材料の転写紙
巾着づくりを楽しむ親子連れの皆さま
熱プレス機によって模様が布に転写されると、個性あふれるオリジナル巾着が次々と完成。絵柄がプリントされたことに「ふしぎ!」と声をあげるお子さんも。完成した巾着はお土産としてお持ち帰りいただきました。
都産技研にとっても、コロナ禍で数年ぶりとなるリアルイベントでしたが、多くの方に興味を持っていただき、大変実のある時間となりました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
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