※本装置は公益財団法人JKA補助事業による補助を受けて設備導入しています。
プロセス技術グループ TEL. 03-5530-2630
近年、建築材料やインフラなどを中心に材料の長寿命化へのニーズが高まっています。材料は屋外に長期間設置されると光や水、熱の影響を受け劣化することが知られていますが、実際の暴露によりその耐久性を評価するのは長時間を要し、容易ではありません。
促進耐候性試験は、屋内外で材料が劣化する因子となる光などを試験機内で人工的に再現し、製品の長期耐久性を短期間で評価します。メタルハライドランプ式の本試験機は実際の太陽光の12~25 倍で、従来の促進耐候性試験機のキセノンアーク灯式やサンシャインカーボンアーク灯式よりも高い照度の紫外域を中心とした光(図1)を照射し材料の劣化を促進します。
図1 太陽光と比較したメタルハライドランプおよびキセノンランプの分光波長分布
都産技研では2011年に1機目のメタルハライドランプ式促進耐候性試験機(スガ試験機(株)製、M6T)を導入以降、多くのお客さまにご利用いただいております。
新たに導入した本装置は既設装置に比べ有効試験面積が大きく、既設装置が180 mm×180 mmが2面であるのに対し、本装置は200 mm×800 mmとなっています(図2)。
また、厚みは最大で40 mm、重量5 kgまで対応できるため、既設装置では実施できなかった大型のサンプルや、一度に多くのサンプルを試験することが可能です。
図2 試験槽を開放している様子
プラスチック板(ABS)および木材(スギ)の試験片に対し、本装置で促進耐光性試験を実施した事例を紹介します。
試験はブラックパネル温度(黒色に塗装した金属板に温度センサーを取り付け測定した値)63±3 ℃、湿度50±5 %RH、照度1500 W/m2で照射のみを行う条件で8 時間、16 時間、24 時間、36 時間、48 時間照射しました(図3)。
プラスチック板では24 時間経過前後での色の変化が著しく、48 時間まで試験を行うと著しい黄変が確認されました。木材では試験開始直後に大きく変色し、その後は緩やかに変色していくことがわかりました。
今回ご紹介した樹脂材料や木材以外にも、塗装品や印刷物など、さまざまな材料での試験が可能です。
図3 促進耐光性試験結果の例(プラスチック板、木材)
都産技研では促進耐候性試験だけでなく、色や光沢、材料強度の評価も可能です。促進耐候性・耐光性試験に併せて、試験片の変色など各種性能の変化も測定可能ですのでご検討ください。
促進耐候性・耐光性試験にご興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
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仕様および利用料金については設備ページをご覧ください。
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