都産技研 城東支所では、振動試験機および三次元造型機の操作説明動画を制作しました。事前に視聴していただくことで利用者の理解を促し、作業の効率化を進めることが目的です。非対面での説明が可能であるだけでなく、わかりづらい箇所を繰り返し見ることができるなど、多くのメリットも見いだしました。
制作に至った経緯や、利用者の利便性向上のために留意した点などについて、実際に制作を行った小西 毅 副主任研究員と薬師寺 千尋 副主任研究員に聞きました。
今回、操作説明動画を制作したのは、振動試験機と三次元造型機です。
動画では、機器利用のための準備作業、実際に使う際の手順、安全に使用するための注意事項、データの取りまとめ方から後片付けに至るまでの一連のプロセスを約3分間でまとめています。
「利用者が事前に視聴することで、あらましを習得していただき、効率よく作業を進めていただくことが目的です。従来、紙の操作説明書を使用していましたが、動画にすることで、操作手順をより具体的にイメージしていただけるようになりました」(小西)
運用を始めておよそ10ヶ月になりますが、利用者からは「動画の視聴によって作業内容を把握することができ、スムーズに利用できるようになった」「難しい操作に関しても、理解できるまで何回も再生できるのでよい」といった声が寄せられているそうです。
さらに、ほぼ非対面での対応が可能になり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、人と接する機会をできる限り少なくすることが求められる中、効果的な取り組みとなりました。
紙の操作説明書は今後も並行して活用される
タブレットで動画を視聴しながらの操作が可能
「振動試験機は、製品に振動を与えてその影響を調べる機器です。輸送機の部品の試験などにご利用いただくことが多いですが、そのほかにも、生活用品や贈答品などがトラック輸送に耐えられるかどうか、またはその梱包が適正かどうかを評価するなど、幅広い用途でご活用いただけます。
三次元造型機は、金型を必要とせずに立体モデルを作製できる機器です。機械部品から玩具用品まで、手軽に試作品の検証を行っていただけます。
以前より利用の多い機器でしたが、動画マニュアルの制作によってさらなる利用促進をはかるとともに、利用者にとっての利便性を高めたいという思いがありました」(小西)
「動画制作にあたって心掛けたのは、利用者が自分ごととして捉えられるかという点です。動画を視聴することで、当該機器を利用したことがない方も『これなら自分でもできそう』『ちょっとやってみようかな』と思えるように、動作以外でも平易な言葉を使うように留意しました。
ストレスなく視聴いただけるように動画時間は3分間程度とし、重要なポイントを整理してコンパクトにまとめました。自動読み上げソフトを使ったナレーションも、イントネーションを自然にするようかなり試行錯誤しました」(薬師寺)
「ご利用後の消毒や片付けも、お客さまにご協力いただけるようになりました。動画内で片付けの方法まで説明しているので、ここまで求められるんだと認識していただくことができ、職員も助かっています」(小西)
また、職員が利用者に直接説明する場合、担当者の変更などもあり、いつでも同じように伝えられるとは限りません。しかし、動画があれば、利用者は常に同じ説明を受けることができます。
「取り上げた機器は、城東支所だけではなく、本部や一部の支所にも同等のものを保有しています。城東支所以外での利用を検討されているお客さまにも、ぜひご活用いただければと思います」(小西)
今後は、粘土などモックアップを作ったものを三次元のデータにすることができる3Dスキャナーでも動画制作を予定。さらに取り組みを広げていく予定です。
「本動画は、都産技研のYouTubeチャンネルにもアップしています。お客さまには、事前に動画で操作を学んだ上で来所いただくことができるようになり、今まで以上に効率よくご利用いただけると思います」(薬師寺)
今回、作業マニュアルとしての動画を制作した振動試験機に関連して、2022年8月24日から8月30日まで、振動試験の初心者向けのオンデマンドセミナーを配信予定です。
振動試験の基礎を学べる内容となっております。皆さまのご参加をお待ちしています。
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事業化支援本部 地域技術支援部
城東支所
小西 毅 副主任研究員
事業化支援本部 地域技術支援部
城東支所
薬師寺 千尋 副主任研究員
※記事中の情報は掲載当時のものとなります。