本文
燃焼試験
印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新
適当な大きさの糸にほぐした後、火をつけて、燃えかた、煙の色、におい、燃えかす等を確認する。この方法は非常に簡便であり、繊維の色に左右されないという長所があるが、混紡・交撚品では判別が難しく、熟練を要する。
試験方法
1)織編物の場合は、糸にほぐす。これは、糸によって繊維の種類が異なっている場合があるからである。
2)約10cmほどとり、3から4cmとし、バラけないようにすこし撚りをくわえる。
3) 2)の糸をピンセットではさみ、火をつける。なお、繊維の種類によっては、素早く燃えたり、溶け落ちたりするものがあるので、ピンセットで挟んで行うとともに、繊維が溶け落ちてもかまわないものの上で行うこと。
4)燃焼中は、燃えかたと煙の色を観察し、においを確認する。
5)火を消した後、燃えかすを観察するとともに、においを確認する。また、燃えかすは冷めた後に指でさわってみる。
もしわからなければ、既知の繊維と比較しながら繰り返し行うとよい。
主要な繊維についての燃焼の様子を表に示す。なお、この試験は感覚的なものであるため、繰り返し行い、自分でポイントをつかむことが大切である。
繊維 | 炎・煙の様子 | におい | 燃えかす |
---|---|---|---|
セルロース系 (綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ) | ろうそくに火をつけたような感じで、燃え続ける | 紙の燃えたようなにおい | 灰色で非常に小さい |
たんぱく質系 (毛、絹) | ちりちりと燃える | 髪の毛の燃えたようなにおい | 黒く膨れていて、簡単につぶれる |
ナイロン | 火を近づけると溶融しながら遠ざかる | アミド特有のにおい | 黄色から茶褐色で硬い。 |
ポリエステル | 溶融しながら燃える。煙が黒いのが特徴 | 特有の甘いにおい | 黒く硬い |
アクリル | 非常に速やかに燃える | 特有のにおい | 黒く硬い |