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油剤の溶解・再付着
油剤が溶解したことにより淡色化した場合は、共布(または事故品の正常部)を溶剤で洗浄し、変色部近似の淡色化が生じ、かつ洗浄液を変色部に再付着させて濃色化すれば、油剤の溶解による変色であると判断できる。
逆に、油剤により濃色化した場合は、溶剤による処理により汚染が除去されることを確認するとともに、抽出液を濃縮・再付着させ、その部分が濃色化するかを確認することにより、油剤による濃色化かどうか判断できる。
いずれの場合も正常部分と比較して行う必要がある。
試験方法
写真はピーチスキン製品の油剤が溶解したことにより淡色化した例である。正常品と比べて淡色となっている。
1)共布を溶剤で洗浄する。溶剤の種類は事故状況に応じて適宜選択する(例えばドライクリーニング時の事故ならば、クリーニング時に使用した溶剤を用いる)。
なお、共布がない場合には正常部または新品を洗浄するが、油剤の溶解による事故の場合は、洗浄により淡色化するので注意が必要である。
2)洗浄液を濃縮し、事故品に滴下する。溶剤によっては引火性があるものや、有毒なものがあるので、濃縮時には十分注意すること。
また、写真にはないが、洗浄した生地を乾燥し、事故品と比較する。事故品と同様の明るさになれば、変色は油剤による可能性がある。
3)滴下後、乾燥し、正常品と比較する。滴下部が濃色化すれば、変色は油剤によるものと判断できる。なお、洗浄液が残留していても、濡れ効果により濃色となるので、よく乾燥してから比較すること。