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ローダミンBによる染色
印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新
ナイロンは通常、酸性染料で染色されるため、ナイロンポリマーの末端基のほとんどはアミノ基としてあるが、酸による損傷を受けるとアミド結合の加水分解によりカルボキシル基を生成する。よって、酸による損傷を受けたナイロンは、カルボキシル基と結合する染料であるローダミンB(塩基性染料、C.I.Basic Violet 10)に染まりやすくなる。このことを利用してナイロンの酸による損傷を確認できる。
試験方法
1)脆化・穴あき部より糸(5mm程度)を取り出し、スライドガラスに採取した糸をのせ、ローダミンB溶液(Rhodamine B Extra3gと60%酢酸10mLを蒸留水にとかし1Lとしたもの)を一滴滴下する。また、比較対照として正常部のナイロンも加える。
2)光学顕微鏡で観察する。損傷部分は正常部分と比べて赤色に染まる。