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ハリソン試験
印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新
セルロース繊維は様々な要因(酸、酸化、熱、光...)により化学作用を受け、還元性を持つようになる。ハリソン試験は、損傷セルロース繊維のもつ還元作用で銀を析出させることにより、繊維が褐色を呈することを利用した試験である。
試験液の調整
1)ハリソンA液(8%硝酸銀水溶液)をとる。
2)ハリソンB液(1Lの水にチオ硫酸ナトリウム200g,水酸化ナトリウム200gを加えたもの)をハリソンA液の2倍量加える。このとき、褐色の沈殿を生じる。
3)沈殿は素早くかき混ぜることにより消失し、溶液は、こはく色となる。
素早くかくはんしないと、沈殿は不溶化し、試験に供すことができなくなるので注意。
4)3)の溶液にハリソンA液の17倍の水を加える。この液を試験液とする。
試験方法
1)試料をプレパラートにのせ、試験液を一滴滴下する。呈色の程度を比較するために、正常部と一緒に試験を行う。
2)沸騰水浴上で加熱し、正常部と損傷していると思われる部分の呈色の差が一番大きくなったところで加熱を停止する。
3)正常部と損傷していると思われる部分とで、呈色(褐色)の差があれば、褐色の濃い箇所が損傷部分である。