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顔料と染料の判別

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月20日更新

染料と顔料の大きな違いは、繊維との親和性があるかどうかである。染料は繊維内に浸透し、繊維と結合(共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合・・・)するのに対し、顔料は繊維との結合力がないため、接着剤(バインダー)により繊維表面に付着している。

顔料と染料の判別方法はJISに規定されているが、最も簡易的でかつ確実な方法は、光学顕微鏡による観察である。なお、光学顕微鏡観察以外の方法として下記の方法があり、これらの試験と組み合わせて、顔料かどうかを判断する。

  1. もみ洗いで白っぽくなることが多い。
  2. N-メチル-2-ピロリドンで試験片をぬらし、白綿布で摩擦すると、大多数のものは白綿布を汚染する。
  3. 有効塩素4g/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液を滴下しても、変化が見られない。

試験方法

プレパラートの写真
1)試料を採取し、プレパラートを作製する。なお、マウント剤は試料に応じて、繊維を視野から消去できるものを使用すると観察しやすい(マウント剤についてはこちら)。

 

繊維表面に顔料が付着した顕微鏡写真
2)光学顕微鏡で観察する(倍率は200から500倍程度)。顔料で染色されたものは、色素が繊維表面に付着しており、繊維内部は染まっていない。

 

内部が染まっている繊維の顕微鏡写真
参考 染料で染色された繊維

染料で染色された繊維は、繊維内部が染まっている(この写真はマウント剤が水である)。

 

 


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