パイル糸の脱落

解説

素材

別珍やコール天といったパイル製品はカットパイルで構成されている。カットパイルには地組織と2箇所で接合されているWパイルと1箇所で接合されているVパイル（写真はこちら）があるが、後者の方がパイル保持力に劣り、クレームとなりやすい。パイルの脱落は裏面からの摩擦による場合が大半であるので、裏地の使用による防げる場合がある。なお、別珍やコール天は、素材が綿の場合が多い。

外観

外観はパイルが抜けて脱落し、基布が露出している。部位は臀部など、摩擦されやすい箇所に発生する。

試験

パイルの脱落は外観観察によりパイルの脱落と判断できるので、試験は事故品がパイルの脱落を起こしやすい生地かどうかについて行う。すなわち、再現試験としてJIS規定のパイル保持性試験を行う。なお、パイル保持性について別珍やコール天製品の一般的な品質基準はJIS規定の試験方法（A法・ユニバーサル型試験機を用いる方法）でパイル保持性60%以上（摩擦回数500回）といわれている。