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カビ・バクテリアによる損傷
印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新
解説
素材
カビ・バクテリアによる脆化は天然繊維と再生繊維に起こる。なお、化学繊維でも食べこぼし等があるとその箇所にカビが発生するが、脆化が生じるのはポリウレタン等の一部の素材のみである。
外観
発生する箇所は基本的にはランダムである。ただし、カビは適当に暖かく、水分が多量にありかつ暗いところを好み、栄養源のあるところでは急速に繁殖するという性質から、食べこぼしや湿潤状態になりやすいと思われる箇所が多い。カビが発生すると、たいていの場合脆化に至る前に変色を生じるので、変色でクレームとなる場合がほとんどである。また、未洗濯の物はカビ臭のするものもある。
試験
- 天然繊維と再生繊維共通
- カビやバクテリアが発生すると、塩基性の色素を生成し、ブラックライトで蛍光が確認できるようになる。
→ブラックライトによる観察 - 光学顕微鏡で観察する。
→カビ等の顕微鏡観察
- カビやバクテリアが発生すると、塩基性の色素を生成し、ブラックライトで蛍光が確認できるようになる。
- 破壊検査が可能な場合
- 電子顕微鏡で観察すると繊維表面に付着しているバクテリアも確認できる(バクテリアは光学顕微鏡では確認できない場合がある)。
- カビが発生する色素は酸素系漂白剤により脱色されやすい。よって、酸素系漂白剤による脱色を行う。
- セルロース系繊維の場合、脆化が著しいとハリソン試験により呈色する。