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移染

印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新

シャツの汚染部と原因となったネクタイを示す写真 シャツの汚染部と原因となったセーターを示す写真

解説

素材

移染は、染色堅牢度不良の製品との接触・洗濯等により生じる。事故は

  1. 堅牢度不良の製品と湿潤状態で接触した場合(写真)
  2. 堅牢度不良に加えて、事故品が染料を吸着しやすい製品であったという場合。例えば、堅牢度不良によりアニオン系の染料が洗濯時に溶出し、さらに事故品にフィックス剤やカチオン系の柔軟剤による処理が施されていたため、著しく汚染を生じたという事例がある。
  3. ポリエステルなどの染色に使用される分散染料は、熱処理によりサーモマイグレーションを生じ、湿潤・昇華堅牢度が低下することがある。

いずれの場合も、事故は、基本的に堅牢度不良により生じるため、素材はどんな素材にも起こりうる。

外観

色相は堅牢度不良の製品の色と同じか、または配合されている色である。部位は湿潤状態での接触や分散染料の昇華によるものは接触部分にのみ汚染が生じ、洗濯時の場合は全面に生じている。また、これらの事故は、何らかの作用により湿潤や昇華が起こり、移染を生じたたものであるので、発生状況を詳細に調査する必要がある。

試験

事故の発生状況に応じて、水や洗濯、昇華、水・溶剤の滴下に対する染色堅牢度試験を行う。このとき、添付布は可能ならば事故品の正常部を使用することが望ましい。また、洗濯等で発生した場合で特定の製品にのみ移染が生じた場合は、その製品についてカチオン系の加工剤の検出を行う。

 


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