本文
金属による変色
印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新
解説
素材
金属との接触による変色事故は、染料が金属イオンと配位結合することにより起こる(媒染染料を媒染すると、色相が変化するのと同じ原理である)。したがって、事故は湿潤状態で金属と接したときに起こる。このような事故を生じやすい染料は、金属イオンと配位結合を起こすような官能基(水酸基、アミノ基等)を持つ直接性の高い染料で、直接染料に多く、反応染料でも生じる。したがって、素材は綿が多い。
外観
故時の金属の由来は様々であるが、いずれも真鍮等、銅を含むものが多い。繊維製品に使用されている金属には、金属プリント(写真)やファスナー、金属製のリング(ジャンパーなどでひもを通すために使用されている)等がある。変色は湿潤時にこれらと接触することにより生じる。よって、部位については特に決まっていない。色相は深色方向(黄→赤→青)へ変化する。
試験
- EDTA水溶液による処理を行い、色相の変化を確認する。→EDTA水溶液による脱金属
- 硫酸銅水溶液による処理を行い、色相の変化を確認する。→硫酸銅水溶液による処理