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光(光と汗の複合)による退色
解説
素材
光による事故(写真左)は、光(特に紫外領域)が染料に直接作用し、染料を分解することにより生じる。分解のしやすさは、主として染料の構造と光の波長に関係し、そのほかに湿度や雰囲気(存在する気体の種類・濃度)も影響する。また、耐光堅牢度は、他の諸堅牢度と異なり、淡色の方が濃色よりも堅牢性に劣る。
耐光堅牢度の劣る染料は部属毎の傾向が見られないため、どの素材に生じやすいという傾向はない。ただし、一般的には
- カチオン染料、含金属染料は全般的に優れている
- 植物染料は全般的に悪く、媒染したものはある程度向上するが、実用上問題となるものも多い
- フィックス処理をしたものは悪いが、含銅フィックス剤による処理をしたものは向上する
等の傾向がある。
汗耐光による事故は汗により脱金属を生じ、耐光堅牢度が低下する場合と、単純に湿潤状態により耐光堅牢度が低下する場合とがある。理論的には光による堅牢度と同じである。
外観
光に暴露されている部分のみ退色し、ポケットや衿の裏側等、光に暴露されない部分に退色は見られない。また、色相は堅牢度の低い染料から順次破壊されていくため、明るい方向へと変化する。
汗耐光の場合は、製品の裏側よりも表側の方が変色が大きいという点で汗による変色と異なる。
試験
外観観察で光による変色と推定できる場合がほとんどであるが、試験を行うならば、縫い代や共布により耐光試験を行う。
汗耐光による変色の場合はJIS染色堅牢度試験に規定されているが、再現されない場合は繊維製品技術研究会(ATTS)法や実際の人体からの汗液により試験を行う。